特別講演報告Special Lecture Report
平成26年度記念講演
「日本を取り巻く安全保障環境」
講師：ジャーナリスト 井上和彦氏
日本人にとって、テロは決して他国の出来事ではない。2020年開催の東京オリンピックが標的にされる可能性もある。イスラム国などのテロ組織の脅威に日本はどのような態度で向き合うべきか。さらに、日本は軍事大国と言われるが、イギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、イタリアなどのサミット参加先進国と比較して、自衛官１人が守っている国民の数は約２〜３倍も多く、防衛関係費はGDPの約１％と世界の国々の約３分の１であることを数字で提示し、「情報を多角的に捉え、推測ではなく客観的なデータで判断することの大切さ」を強く伝えられました。
また、集団安全保障と集団的自衛権との違いをわかりやすく解説され、「社会をより良くするということは、自分が何を、何から守るべきかとの覚悟が必要になる」「自分さえ良ければいいという考えを改め、日本人が長年守り続けてきた『公の精神』を大切にしたい」と話されました。日本を取り巻く安全保障環境に留まらず、社会に貢献できる経営者の団体として大切にすべきことを教えていただいた貴重な時間となりました。
講師：ジャーナリスト 井上 和彦（いのうえ・かずひこ）氏
1963（昭和38）年、滋賀県生まれ。
専門は、軍事・安全保障・外交問題・近現代史。テレビ番組のコメンテーター・キャスターを努めるほか書籍・オピニオン誌の執筆を行う。テレビ番組では歯に衣着せぬ爆裂本音トークで、難解な軍事問題などをわかりやすく解説する。「たかじんのそこまで言って委員会」（讀賣テレビ）では、”軍事漫談家”の異名を持ち、同番組をはじめとして「ビートたけしのTVタックル」（テレビ朝日）、「かんさい情報ネットten！」（讀賣テレビ）などの出演番組多数。
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